「最近、親が高齢になってきて、これからの暮らしや実家の管理をどうしようか迷っている…」
「自分が元気なうちに、子どもたちに財産のことを伝えておいたほうがいいのかな?」
このようなお悩みを抱えている方は多くいらっしゃいます。しかし、日常生活の中でいきなり「相続」や「お墓」「お金」の話を切り出すのは、少しハードルが高いと感じてしまいますよね。
そこでおすすめなのが、夏にやってくる「お盆休み」です。お盆は、普段は離れて暮らしているご家族や親戚が北本市の実家に集まる絶好の機会です。全員の顔が揃うタイミングだからこそ、将来の相続手続きで家族が困らないための「生前対策」について、自然な形で話し合いを始めることができます。
「まだ元気だから、相続なんて先の話」と考える方が多くいらっしゃいますが、いざという時は突然やってくるかもしれません。何の準備もしないまま相続を迎えてしまうと、親族間でトラブルが起きたり、複雑な手続きに追われて大変な思いをしたりすることになります。
今回は、お盆休みの帰省をチャンスに変えるために、今のうちに準備しておくべき生前対策の進め方と、揉めないためのポイントを分かりやすく解説します。

なぜ生前対策が必要?家族で話し合うべき理由

そもそも、なぜ親が元気なうちから生前対策について話し合っておく必要があるのでしょうか。その理由は、日本の相続における基本的なルールと、遺された家族にかかる負担にあります。

相続手続きは全員の合意が原則

人が亡くなると、その方の遺産(預貯金、不動産、有価証券など)は一時的に相続人全員の共有財産になります。これを誰がどのように分けるかを決めるのが「遺産分割協議」です。
この遺産分割協議は、原則として「法定相続人全員」が参加し、全員が実印を押し、納得して合意しなければ成立しません。もし一人でも反対する人がいたり、連絡が取れない親族がいたりすると、手続きは完全にストップしてしまいます。銀行口座は凍結されてお金が引き出せなくなり、実家の名義変更(相続登記)もできなくなってしまうのです。

生前に準備しておくべき3つの基本対策

こうした事態を防ぐために、生前のうちに家族で共有し、準備しておきたい主な対策は以下の3つです。

  • 財産の全体像がわかる「一覧表(財産目録)」の作成
  • 誰にどの財産を渡すかを明確にする「遺言書」の作成
  • 認知症による口座凍結を防ぐ「家族信託」などの検討

【参考】
自筆証書遺言書保管制度(法務省民事局)
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html

相続で残されるご家族の負担を減らすには【生前のうちの相続準備】
https://souzoku-sanguu.com/2026/04/15/1355/

認知症による「口座凍結」を防ぐ!新しい生前対策「家族信託」とは
https://souzoku-sanguu.com/2026/05/20/1388/

これらを「親が元気で、しっかりとした判断能力があるうち」に進めておくことが、残されるご家族の負担を減らすための大原則となります。

事前準備をしておく具体的なメリット

お盆の前に、少しずつ準備を進めておくことには多くのメリットが得られます。

財産調査の手間が劇的に減る

ご遺族が相続のときに一番苦労するのは、「どこに、どんな財産(銀行口座や不動産など)があるのか分からない」という点です。生前のうちに親と一緒に、通帳や不動産の権利書を確認し、ノートにリストアップ(一覧表を作成)しておくだけで、将来のご家族の手間と時間を大幅に省くことができます。ネット銀行やネット証券などの「デジタル遺品」も同様です。
【参考】
財産目録を相続で必ず作るべき理由とは
https://souzoku-sanguu.com/2025/10/01/1201/

分けにくい財産である実家の処理方針が決まる

「財産のほとんどが北本市の実家で、分け合える現金が少ない」というケースは、最も揉めやすいパターンです。お盆の集まりで、「将来、この家には誰が住むのか」「誰も住まないなら売却して現金で分けるか」といった本音を話し合っておくことで、将来の親族間トラブルを未然に防ぐことができます。

話し合いにおける注意点と潜んでいる落とし穴

せっかくお盆に家族が集まっても、進め方を間違えると逆効果になってしまう点には注意が必要です。

いきなりお金や遺産の話をするのはNG

子ども側からいきなり「お父さん、亡くなった後の遺産はどうするの?」と切り出すと、親御さんは「自分が死ぬのを待っているのか」と不快な気持ちになってしまうかもしれません。まずは「最近、北本市でも高齢者を狙った詐欺が多いみたいだけど、口座の管理は大丈夫?」「実家の片付け(生前整理)を少しずつ手伝うよ」といった、親を思いやる優しい言葉からスタートするのがポイントです。

遺言書を勝手に作らせようとしない

「揉めないために遺言書を書いて!」と無理に迫るのも禁物です。遺言書は、法律で定められた厳格なルールに従って本人の意思で作らなければ無効になってしまいます。また、特定の子供にだけ有利な内容の遺言書を書かせようとすると、他の兄弟との間で大きなトラブルに発展します。

まとめ

今回は、お盆休みの帰省を控えたこの時期に考えておきたい、実家の相続トラブルを防ぐための生前対策の進め方について解説しました。
生前のうちに「財産の一覧表」を作ったり、家族の意向を確認しておくことで、将来のトラブルや手続きの負担を大きく減らせます。ただし、切り出し方や対策の選び方を間違えると、家族関係にひびが入る落とし穴もあります。

「うちの場合は、遺言書と家族信託のどちらがいいのだろう?」「生前贈与を進めたいけれど、相続税がかからない正しい方法を知りたい」など、具体的な対策に進むためには、専門的な知識が不可欠です。せっかくのお盆の機会を活かすためにも、帰省する前の今のうちに、一度相続の専門家に相談して「我が家に必要な対策」を整理しておくことをおすすめします。

一人で抱え込まず、まずは相続の専門家である当事務所までお気軽にご相談ください。当事務所では、年に数回、北本市役所にて税務相談員を受け持っている経験豊富な税理士が対応させていただきます。初回の相談は無料なので、是非ご利用ください。

よくある質問

 

Q:お盆の帰省で相続の話を切り出すとき、親が嫌がらないよう始めるコツはありますか?

A:「遺産の話」ではなく「高齢者詐欺対策」「家の片付けを手伝う」など、親を思いやる話題から始めるのがポイントです。子どもから一方的に話を進めると親が警戒するため、まず親の意向を聞く姿勢を大切にしてください。

Q:遺言書と家族信託は、どちらを先に検討すればよいですか?

A:目的によって異なります。「亡くなった後の財産の分け方を指定したい」なら遺言書、「認知症など判断能力が低下したときの財産管理を事前に備えたい」なら家族信託が有効です。両方必要なケースも多く、状況に応じて専門家に相談して判断することを推奨します。

Q:相続登記(不動産の名義変更)は、いつまでにしなければいけませんか?

A:2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請が必要です。過去の未登記不動産も2027年3月31日までに対応が必要で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科されます。

Q:財産目録は、自分たちで作れますか?それとも専門家に頼むべきですか?

A:書式は自由で自分で作ることも可能ですが、銀行口座・不動産・株式・ネット資産(デジタル遺品)など漏れなく記載することが重要です。相続税申告が必要な場合は正確性が求められるため、専門家(税理士)が作成または確認する形をとると安心です。

Q:親が認知症になってから遺言書を書いてもらうことはできますか?

A:遺言書の作成には「遺言能力(意思能力)」が必要であり、認知症が進んで判断能力を失った後に作成した遺言は無効になる可能性が高いです。「まだ元気なうち」に作成することが非常に重要で、これが生前対策を早めに始める最大の理由の一つです。


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