お盆の帰省時に進める実家の片付け|北本市の空き家を相続する際にかかる税金を抑える手続きと特例の落とし穴

「親が高齢になってきたけれど今後の実家の管理はどうしよう……」と不安に思っていませんか?とはいえ、親に対して「相続」や「家の処分」といったシビアな話題はなかなか切り出しにくいものです。
そこでおすすめなのが、ご家族やご親戚が北本市の実家に集まる「お盆休み」です。全員が顔を合わせるお盆のタイミングを活かせば、将来の相続で困らないための「実家の片付け(生前整理)」について、自然な流れで話し合いをスタートできます。
特に、親が亡くなった後に誰も住まなくなる実家が「空き家」になってしまうケースが増えています。実は、空き家を売却する際にかかる税金を劇的に安く抑えることができる大変有利な特例が存在するのですが、ここには大きな「落とし穴」が潜んでいるのです。
今回は、お盆休みの帰省をチャンスに変えるために、今のうちに知っておきたい実家の相続と「空き家特例」の仕組みを分かりやすく解説します。
なぜお盆の片付けが重要?空き家相続の基本ルール
そもそも、なぜ親が元気なうちから、実家の片付けや方針についての話し合いを進めておく必要があるのでしょうか。その理由は、不動産の相続における独特なルールの難しさにあります。
1.分けにくい「実家」は最もトラブルになりやすい
日本の相続において、親族間で最も揉めやすい財産が「実家(不動産)」です。現金であれば1円単位で分けることができますが、土地や建物は簡単に切り分けることができません。「財産のほとんどが北本市の実家で、きれいに分け合える現金が少ない」というケースは非常に多くあります。実家を誰が引き継ぐのか、誰も住まないなら売却して現金で分けるのか、といった方針を曖昧にしたまま放置すると、将来の「遺産分割協議」がまとまらず、トラブルに発展してしまいます。
【参考】
相続で残されるご家族の負担を減らすには【生前のうちの相続準備】
https://souzoku-sanguu.com/2026/04/15/1355/
2.空き家を売却すると多額の税金がかかる?
将来、相続した実家を売却して現金で分けようと考えた場合、不動産が売れた利益(譲渡所得)に対して、所得税や住民税が課されることになります。
特に、親が何十年も前に購入した古い家などの場合、当時の購入価格が証明できる書類が残っていないケースが多く、その場合は売却代金のほとんどが利益とみなされ、結果として数百万円〜数千万円もの重い税金がかかってしまうことがあるのです。
賢く節税!「空き家を相続したときの3,000万円特別控除」とは
こうした相続空き家の増加を防ぎ、スムーズな実家の売却を後押しするために国が設けているのが、「空き家を相続したときの3,000万円特別控除」という制度です。
この特例は、一人暮らしをしていた親が亡くなり、空き家となった北本市の実家(土地・建物)を相続した人が、一定の要件を満たしてその家を売却した場合、売却益から最大3,000万円までを差し引く(控除する)ことができるという大変有利な制度です。正しく適用することで、売却益にかかってしまう税金が「ゼロ」になる可能性があり、非常に大きなメリットが得られます。
【参考】
No.3306被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
ただし、利用するためには以下のような厳しい要件をすべてクリアしなければなりません。
- 亡くなった方が、亡くなる直前までその家で「一人暮らし」をしていたこと
- 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された建物(古い家)であること
- 相続が始まってから「3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に売却すること
- 売却代金の総額が1億円以下であること
ここに注意!片付けの有無が明暗を分ける「特例の落とし穴」
一見すると「古い実家を期限内に売れば安くなる」と思われがちです。しかし、実際の不動産実務においては、一般の方が見落としがちな大変恐ろしい「落とし穴」が潜んでいます。それこそが「実家の片付け」の進み具合なのです。
(1)「耐震基準を満たすか」または「解体して更地にするか」の選択
この特例を使うためには、古い建物的まま売る場合、その建物が現在の「耐震基準」を満たしていることを証明しなければなりません。しかし、古い建物を今の基準に適合させるための改修工事には莫大な費用がかかります。そのため、実務上は建物を解体して「更地にしてから土地を売却する」という方法を取るケースが圧倒的に多くなっています。
(2)片付けを後回しにすると「期限」に間に合わない
ここに最大の落とし穴があります。実家を解体して更地にするためには、家の中にある大量の荷物や家具、思い出の品(遺品)をすべて綺麗に片付けなければなりません。「亡くなってから、ゆっくり時間をかけて整理すればいい」と考えている方が多くいらっしゃいますが、いざ相続が始まると、法的な「手続き」や書類集めに追われ、実家の片付けは驚くほど後回しになってしまいます。気がつけば法定期限である3年が迫り、慌てて業者を手配しようとしても繁忙期には予約が取れず、特例の適用を諦めざるを得なくなった、という失敗事例が後を絶ちません。生前のうちから親と一緒に少しずつ片付けを進めておくことが、実は一番の安全策なのです。
まとめ|お盆の話し合いを活かすために、北本市の相続専門税理士へご相談ください
今回は、お盆休みの帰省を控えたこの時期にぜひ考えておきたい、実家の片付けと、相続した空き家の税金を抑える「3,000万円特別控除」の活用法について解説しました。
生前のうちから実家の片付けや将来の方針について家族で話し合っておくことは、将来の親族間トラブルを防ぎ、大幅な節税特例を確実に適用するための「一番の近道」となります。
ただし、この空き家特例や、実家の土地の評価額を下げる「小規模宅地等の特例」が使えるかどうかといった判断は、非常に緻密な税務の設計と経験が必要です。判断を誤ると、後から税務署の調査が入り、本来の税金に加えて「加算税」や「延滞税」といった重いペナルティ(加算税・延滞税)が科されてしまうリスクがあります。
【参考】
【7月の路線価発表前に知る】北本市の土地・実家の相続税評価と税理士への相談タイミング
https://souzoku-sanguu.com/2026/07/01/1443/
「うちの実家は空き家特例の対象になるのだろうか?」「生前対策を進めたいけれど、正しい方法を知りたい」とお悩みの方は、一人で抱え込まず、まずは相続の専門家である当事務所までお気軽にご相談ください。
当事務所では、年に数回、北本市役所にて税務相談員を受け持っている経験豊富な税理士が対応させていただきます。初回の相談は無料なので、せっかくのお盆の機会を最大限に活かすためにも、帰省前の今のうちにぜひお気軽にご利用ください。
よくある質問
Q:2024年に空き家特例の制度が改正されたと聞きました。何が変わりましたか?
A:2024年1月1日以降の売却から2点変わりました。①相続人が3人以上の場合の控除上限が3,000万円から2,000万円に引き下げ。②以前は売主が解体・耐震改修する必要がありましたが、買主が売買後に解体または耐震改修を行う場合でも特例を適用できるようになりました。
Q:「空き家特例」と「小規模宅地等の特例」は、両方同時に使えますか?
A:制度の場面が異なるため、原則として同時に活用できます。「空き家特例」は相続後に
売却した際の譲渡所得税を軽減し、「小規模宅地等の特例」は相続税の計算時に土地評価額を最大80%下げます。ただし要件が複雑なため、専門家との設計が不可欠です。
Q:親が亡くなる前に老人ホームや病院に入っていた場合、空き家特例は使えませんか?
A:入居後に実家が空き家になっていた場合でも、一定の要件を満たせば特例を適用できる制度(国税庁No.3307)があります。ただし要件が別途定められているため、老人ホームに入居していたケースは必ず専門家にご確認ください。
Q:実家を売らずに賃貸に出す場合、後から空き家特例は使えますか?
A:使えません。相続の開始後から売却までの間に事業用・貸付用・居住用として使用した場合は、空き家特例の適用対象外となります。将来売却して特例を使いたい場合は、相続後から売却まで一切の賃貸使用を避ける必要があります。

平成4年税理士試験合格。平成11年社会保険労務士試験合格。
さいたま市内の会計事務所に勤務後、現在地にて事務所開設。
平成20年㈱FP財産総合研究所を設立、令和元年不動産鑑定業者登録。
税理士、社会保険労務士、宅地建物取引士、FP1級技能士などの資格経験を生かして、主に資産運用・不動産の有効活用・相続対策等の相談を不動産業者、資産家から多数受けています。年間2回ほど北本市役所にて税務相談員を担当させていただいております。