前回のコラムでもご紹介しましたが、 生前贈与 には課税方式の違いによって二つの制度があります。
相続時精算課税制度はそのうちの一つで、2,500万円まで非課税となるものです。

非課税金額が高いのでお得に見えますが、デメリットも多く、活用する場合には注意が必要です。
今回のコラムでは、相続時精算課税についてより詳しく解説していきます。

 

相続時精算課税制度とは

相続時精算課税制度は、贈与される金額の合計が2,500万円まで非課税となる制度です。

1年間ごとに110万円の非課税枠がある暦年課税方式とは違い、一人の贈与者からの贈与合計で贈与税が決まります。
総額2,500万円以内なら非課税、超えた場合は一律で20%の贈与税が課税されます

また、贈与者と受贈者にも要件があります。

上記の条件を満たすことで適用可能です。

相続時精算課税制度は、生前の贈与を簡単にして、早期に保有資産を子供や孫の世代に移転させるものです。
そのため、基本的には相続が生じる関係において利用可能なのです

毎年110万円までが非課税となる暦年贈与と比較すると一回の控除額が大きいため、短年で大型の贈与を行いたい時に有効な制度といえます。

なお、贈与財産の種類や回数にも制限はありません。
限度額に達するまで何回でも非課税で贈与が可能です。

 

相続時に課税対象となる

同制度の問題点は、相続時には贈与された財産は相続財産に含まれ、相続税の課税対象となってしまうことです

つまり、贈与時には無税であっても相続発生時には結局は税金を支払うことになるわけです。
(相続税には基礎控除があるので、遺産との合算額が基礎控除額を超えた場合にのみ、相続税の支払い義務が発生します。)

言いかえれば、税金の支払いを相続発生時に先送りしているだけと考えることもできます

 

その他の注意点

(1)暦年贈与に変更が不可

 
一度相続時精算課税制度を利用すると、暦年贈与に変更することはできません

暦年贈与は年間110万円まで非課税(相続時の課税対象にもなりません)ですが、相続時精算課税制度では年間の贈与額が110万円以下でも相続時に課税対象となります。

 

(2)税務署への申告義務がある

 
暦年贈与は年間の非課税枠内であれば、贈与税の申告は不要です。
しかし、相続時精算課税制度の場合は金額にかかわらず税務署への申告義務が生じます

相続時精算課税制度を利用する際は、贈与税の申告書や相続時精算課税制度選択届出書を提出しなくてはなりません。

 

(3)一部の特例措置が活用不可

 
特に「小規模宅地等の特例」が活用できないことが大きなデメリットです。

小規模宅地等の特例は、被相続人が自宅・店舗・事務所などとして使用していた宅地を取得する場合、宅地の価格を一定の面積までは最大80%も減額して評価できる制度です。

要件さえ満たせば相続税を大幅に下げることができるので、土地を持っている場合は、是非使いたい制度です。

 

相続時精算課税制度の節税効果

前述した通り、贈与税は特別枠内で無税にできますが、相続時には課税されるので、トータルでの節税効果はあまり期待できません。
では、相続時精算課税制度には意味がないのかというと必ずしもそうではありません。

相続時精算課税制度を利用しても贈与された財産は相続財産に含まれますが、その際の評価額は相続時ではなく贈与時のものが適用されます。
つまり、相続時に時価が大幅に上がると予測される財産を贈与する場合は節税に繋がります

例えば、10年後に時価が2,000万円から3,000万円に上がる財産について相続時精算課税制度を使って贈与を行い、10年後の時価が上がった際に相続手続きが発生したとします。

この場合、贈与を行なっていないと相続時には3,000万円が課税対象となりますが、贈与を行なっていた場合には贈与時の価格が適用されるので、結果的には課税対象金額は減額となります。

時価が上がることがほぼ確実に見込まれる場合には、同制度を利用することで節税が可能です。

 

その他の活用法

贈与と遺産との合算総額が基礎控除額を下回る=相続税がかからないことが想定され、財産を生前のうちに渡したいような場合には、相続時精算課税制度を活用することで、余計な手間を省くことができます。

なぜなら、相続手続きに比べ、贈与の手続きの方が簡素だからです
また、相続時精算課税制度は非課税枠が大きいので、上記の様なケースに最適と言えるでしょう。

 

まとめ

相続時精算課税制度はデメリットが多く、利用する場合には注意が必要です。
2500万円まで非課税という部分だけ見るのは危険なのです。

活用するかどうかは、デメリットを踏まえた上で慎重に判断しましょう。
専門の税理士にアドバイスを求めることも検討すると良いでしょう。

 

 


 
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「 生前贈与 」とは、生きているうちに配偶者や子どもに財産を前渡しする行為です。
相続税の節税対策の中でも扱いやすい方法として知られていますが、ケースによっては贈与税を課せられてしまうので注意が必要です。

 

生前贈与とは

生前贈与とは、生きている間に財産を特定の誰かに渡すことです。
渡す相手に縛りはなく、配偶者や子供や孫はもちろん、友人等でも構いません。

生前のうちに財産の一部を渡しておけば、相続される遺産も減るので、相続税を抑えることができます。

ただし、一定の金額を超えると贈与税が課税されてしまいます
贈与税は相続税とは課税率も違うので、場合によっては多額の税金を支払うことになります。

そのため、生前贈与を節税対策で行うのであれば、想定される相続税と贈与税を実際に算出し、贈与する金額・回数(年数)を調整した方が良いでしょう。

なお、贈与税申告の期限は、贈与がされた翌年の2月1日〜3月15日の間です。
納付期限も同じで、どちらも贈与を受けた方が行います。

 

生前贈与の課税方式の種類

生前贈与は課税の方式によって以下の2つに区分されます。
 

(1)暦年課税

 
1月1日から12月31日までの1年間に贈与された資産に対して贈与税が課されます。
なお、110万円までは非課税です。(110万円を超えた分にだけ贈与税が課されます。)

この非課税枠を上手く利用することで、相続税を抑えることができます。
例えば、5,000万円の遺産が相続される場合は、この5,000万円から基礎控除(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を差し引いたものが相続税の課税対象になります。

しかし、110万円を生前贈与として渡していると、110万円は非課税対象なので、遺産も4,890万円に減り、課税額が減額となります。

 

(2)相続時精算課税

 
相続時精算課税は贈与者が60歳以上の父母もしくは祖父母、受贈者が18歳以上の子供や孫の場合、贈与税が合計2,500万円分まで非課税となる課税方式です。
成人年齢が引き下げとなったため、受贈者の年齢要件は変わっています。

2,500万円を超えた場合にかかる贈与税は一律で20%となります。

この方式は受贈者が選択することになっていて、利用したい場合は金額の大小に関わらず贈与税申告書と相続時精算課税選択届書を税務署に提出しなければなりません。
書類を提出しない場合は、制度が適用されず、暦年課税方式で贈与税が課税されます。

なお、一度相続時精算課税を選択すると同じ贈与者からの生前贈与については、その贈与者が亡くなるまで同制度が適用され、暦年課税での贈与が使えなくなります

 

生前贈与のメリット

(1)節税に活用できる

 
既に述べましたが、生前贈与には非課税枠があるので、上手に利用すれば相続税対策となります。

 

(2)財産を渡す相手は自由

 
生前贈与では資産を渡す相手は自由にできます。家族以外の方にはもちろん、法人にも贈与をおこなうことが可能です。

相続でも、遺言書で指定しておけば財産の譲渡は可能ですが(この方式は遺贈と言います)、生前贈与の方が手間がかからず簡単といえます。

 

(3)贈与する側、受贈者側で話し合いができる

 
相続では元々の資産の保有者(被相続人)がいないので、相続人同士でトラブルとなる可能性が高くなります。

しかし、生前贈与では保有者がいるので、財産の受け渡しで揉めることはあまりないでしょう。

 

生前贈与の注意点

(1)贈与を否認される場合も

 
生前贈与は税務署に認められなければなりません。
そのため、正しいやり方で行う必要があります。

贈与は契約行為なので、贈与者・受贈者の双方に合意が必要です。
よって、贈与の際には、都度、契約書を作成して立証材料としましょう。

 

(2)定期贈与とみなされる

 
先述したように、生前贈与は年間110万円まで非課税ですが、毎年同じ金額を贈与し続けていると「定期贈与」として課税される怖れがあります。
定期贈与とは毎年一定額のお金(資産)が贈与されることがあらかじめ決まっていることです。

毎年同じ金額で贈与を行っている場合、贈与者と受贈者との間に定期贈与に関する契約があるとみなされる可能性があります。
もし、そうなった場合は「一括で」贈与税がかかり、節税にならなくなってしまいます。

 

(3)贈与者の生活を圧迫する場合も

 
相続税を減らそうと考えて、無理な贈与をしていると当然贈与者側の生活が圧迫されてしまいます。

資産譲渡は贈与者側の生活を第一に考えて、行うべきです。

 

(4)亡くなる3年前の贈与は相続税の対象

 
贈与者が死亡する3年前までに行われた贈与については、相続財産に加算され相続税の課税対象となります。
これは「生前贈与加算」と言います。

なお、贈与する際に支払った贈与税額を相続税額から差し引きます。

 

まとめ

生前贈与は相続税対策として広く利用されています。
今回ご紹介したもの以外に条件を満たすことで利用可能なものもあり、非課税額も変わってきます。

確実に節税を行う場合は、ご自身の財産状況や家族構成など諸々の要素を考慮する必要があるので、相続税専門の税理士に相談する方が良いでしょう。

 

 


 
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遺言書 は「ご自身の死後の遺産分配に関しての指示を行うもの」というイメージが一般的ですが、遺言書で指定できる事項は遺産分配に関するものだけではありません。

婚姻関係にない方との間にもうけた子供を認知したり、推定相続人の廃除なども可能です。
このように遺言書は多くの効力を持っていますから、作成の前に何ができて何ができないかをしっかりと理解しておきましょう。

 

遺言書でできる主な事項

(1)相続財産の配分指定

 
被相続人の財産を相続する場合、各相続人の取り分として法律上定められた割合のこと「法定相続分(ほうていそうぞくぶん)」といいます。
遺言書では、取得財産の配分をこの法定相続分に従うことなく、自由に決めて構いません。

また、誰にどの財産を渡すかも好きに指定できます。
「妻に自宅を渡す」「長男には預貯金を多めに渡す」など、配分や財産の指定は遺言者の意志で決定できます。

ただし、「遺留分」を侵害するような配分にはできません。

遺留分とは、相続人が最低限の遺産を受け取れる権利です。
もし、財産分割が各相続人の侵害のある内容であった場合は、遺留分侵害額請求によって不足額を請求出来るのです。

遺留分を侵害するような偏った遺言書を残した場合、その通りには執行されない上、相続人同士の争いを生みかねないので、遺留分に十分配慮した遺言書を作成しましょう。

 

(2)遺産分割方法と分割禁止

 
遺言では遺産分割の方法を決定できますし、遺産分割を禁止することもできます。
相続開始直後は相続人同士が揉めるケースも多いため、冷却期間を設ける意味で分割禁止を指定する場合もあるのです。

遺言によって遺産分割を禁止する場合、期間は最大で相続開始より5年までです。

 

(3)遺贈の決定

 
遺贈とは、遺言書によって遺産の全部もしくは一部を、法定相続人以外の人に無償で取得させることです。
遺産の贈呈側を「遺贈者」、遺産を受けとる側を「受遺者」と呼びます。

通常であれば、相続財産は被相続人の配偶者や子供といった法定相続人のみが受け取りますが、遺贈を指定すれば婚姻関係のない内縁の配偶者や友人等にも相続財産を渡すことが可能です。

ただし、遺贈はご遺族にとっては心情的にあまり良いものでもありません。
トラブルの要因となってしまう可能性も高いので、遺贈を行う場合は生前にご家族の理解を得るなどしておいた方が良いでしょう。

 

(4)子供の認知

 
母親と子どもとの関係は、母親が結婚をしているか否かに関わらず、出産した時点で法律上の関係が生じます。
しかし、父親と子供の場合、母親との婚姻関係がない場合は、認知を行わないと法律的な親子関係となりません。

遺言書ではこのような婚姻関係のない女性との間にできた子供について、認知を指定できます。
認知した場合は、その子供と法的に親子となるので、法定相続人が増えることとなります。

 

(5)相続廃除等に関する事項

 
相続廃除とは、特定の推定相続人が生前の被相続人に対して虐待や侮辱等の非行を行なっていた場合、相続権を剥奪する制度です。
家庭裁判所に申立てを行い、それが認められれば該当の相続人は相続権を失います。

この相続廃除を指定する場合は、必ず遺言執行者も指定しておきましょう。
指定しておかないと、廃除の申立てが行われない怖れが出てきます。

 

(6)後見人の指定

 
未成年者が遺産相続をする場合は、親権者(両親)の同意または代理が必要です。
親権者がいないことが想定される場合は、財産管理や手続きを任せられる「未成年後見人」を選任しなければなりません。

遺言書ではこの未成年後見人を指定できます。

 

(7)相続人相互の担保責任の指定

 
取得した相続財産が他人のものであったり、欠陥があった場合、他の相続人は担保責任を負います。

遺言者は、この担保責任の負担者や負担の割合において指定ができます。

 

遺遺言が無効にならないように

せっかく作成した遺言書も作成のルールを守っていなければ無効となります。
無効になれば、内容は実行されません。

遺言書にはいくつかの種類がありますが、作成方法は異なるので、注意が必要です。
 

例えば自筆証書遺言では

 

公正証書遺言では

などの決まりがあります。

各遺言書のルールに従って、正しいものを作成してください。

 

まとめ

遺言書には様々な効力があることがお分かりいただけたと思います。

遺言書はご自分で作成すると、どうしても不備が発生しやすくなります。
せっかく作成しても、ルールを守っていなければ無効となります。

そのようなリスクを避けるためには、相続の専門家に作成を相談しましょう。
専門家であれば、遺言執行者も依頼することができますので、相続発生後の手続きもスムーズに進み、遺言内容を実現しやすくなります。

 

 


 
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– 相続税 申告のためにも相続税の税率をしっかりと押さえておきましょう –
 

ご自身のパートナーやご両親が亡くなられた場合、相続によって遺産を引き継ぐことになりますが、引き継ぐ財産の金額によっては相続税を支払わなければなりません。

相続税として課せられる税率は一定ではなく、取得する財産の金額によって違います。
そのため、正しい税率や計算方法を理解しておかないと正確な税額を算出できません。

もし、誤った税額を申告してしまうと、後に追徴課税といったペナルティを科せられるので、気をつけなければなりません。

 

相続税がかかるのはどんな時か

相続財産を取得した方全員に相続税がかかるわけではありません。
相続税には「基礎控除」という制度が設けられており、この金額の範囲内であれば相続税は一切かからないことになっています

基礎控除額の計算方法は以下の通りとなっています。

相続税の基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

 
計算式を見ても分かるとおり、法定相続人の人数が増えれば基礎控除も増えますが、最低でも3600万円はあります。
つまり、亡くなった方の遺産の総額が3600万円以下の場合は、相続税は全くかからないことになります。

なお、この基礎控除額は、平成27年施行の相続税法改正以前までは金額が「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」でした。
つまり、相続財産が6,000万円以下であれば相続税はかからなかったのです。

相続税がかかる最低ラインが引き下げされたことによって、相続税を支払う人も倍増しています。
現在では全国的に見て、およそ12人に1人となっています。

特に、相続財産の中に土地付きの一戸建て等が含まれる場合は、相続税の課税対象になる可能性も高いので注意しましょう。

 

相続税の税率

相続税は遺産金額の大小に応じて税金も高くなる累進課税制度を採用しています。
所得税もこの制度を採用していますが、遺産を多く受け取る人には税金の負担も重くなるという趣旨になっています。

これは収入や相続財産の多いところから、少ないところに分配される「所得の再分配」が目的だからです。
相続税の税率は以下の通りです。

相続税税率
 

取得する遺産が6億円を超える場合は、最高で55%の税率が適用されます。

 

相続税の計算方法

相続税額の算出方法は以下の三段階になります。

詳しく見ていきましょう。

 

(1)遺産の総額を計算

 
ファーストステップとして、遺産の総額を求めます。
被相続人の財産を土地や建物、預貯金、現金等全て含めて、計算します。

この時に注意したいのが、借金や未払金も財産として含まれる点です。
ただし、これらはマイナスの財産ですから、プラスの財産から金額を差し引いて良いのです。

仮に、遺産の中身が5,000万円の住宅、3,000万円の預貯金、1,000万円の現金、500万円の負債があり、葬儀費用が100万円だった場合の遺産総額は

5,000万円+3,000万円+1,000万円―500万円―100万円=8,400万円

となります。

 

(2)基礎控除額を差し引く

 
先述した相続税の基礎控除額を遺産総額から差し引きます。

仮に法定相続人が4人いた場合は基礎控除額は
3,000万円+(600万円×4人)=5,400万円になります。

先ほど計算した遺産総額で考えれば、差し引き後の金額は


8,400万円-5,400万円=3,000万円

です。

 

(3)取得分に応じて税額を算出

 
基礎控除額を差し引いた後は、実際の相続割合により按分して相続人ごとの税額を計算します。

配偶者1人・子供3人の計4人で法定相続分に従って財産を分けると仮定した場合、
取り分は「配偶者×1/2」「子供1/2×3」となります。

遺産総額から控除額を差し引いた後の課税金額をそれぞれの取り分で分割します。
先ほどの例で考えると、3,000万円を、配偶者が1,500万円、子供達は500万円ずつで分割します。

この金額を前述した税率表に応じて、税額を求めます。
計算式は、相続税=個々人の取得金額×税率−控除額となるので

配偶者1,500万円×0.15−50万円=175万円
子供達は500万円×0.1=50万円

なので相続税は全部で325万円となります。

 

実際の各負担額はそれぞれの遺産の取り分で按分するので、

配偶者が325万円×1/2=112.5万円

子供たちは残りの112.5万円を三人で負担します。

※配偶者は配偶者控除があるので、最終的に負担額は0円となります。

 

まとめ

相続税の申告と納税には正しい税額計算が必須です。

もし、少ない金額で申告や納税を行うと、過少申告として後にペナルティとして追加の税金を上乗せされてしまいます。
十分に注意してください。

 

 


 
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– 相続手続き の中には「準確定申告」というものがあります。これは一言で言うと、故人の確定申告です。 –

 

副業している方、フリーランスや自営業の方、不動産収入や株取引で儲けている方など、要件に当てはまる場合は「確定申告」を行わなければいけません。
確定申告とは、年間の所得(売上から経費を差し引いた利益)をまとめて税金を算出し、税務署に報告する手続きです。

この確定申告は、亡くなった方でも条件に該当する場合はやらなければなりません
ただし、故人のため、税務署での手続きは遺族(相続人)が代わりに行います。

 

準確定申告とは

準確定申告とは、故人(被相続人)が亡くなる前の特定期間内に得た所得に応じて、遺族(相続人)が代わりに税金の申告と納付を行う手続きを指します。

確定申告と名前は似ていますが、以下の点で違いがあります。

①申告をする方
確定申告は本人が行いますが、準確定申告では申告義務者は亡くなった人の「法定相続人全員」となります。

②申告期限
確定申告は前年の1月1日から12月31日までの1年間の所得を計算した上で、2月16日から3月15日までの間に申告をします。対して、準確定申告の場合は申告対象となる年の1月1日から亡くなった日までの所得を計算した上で、「相続開始を知った翌日から4ヶ月以内」に、申告書の提出が必要です。

③提出場所
確定申告書の提出場所は、本人の住所地を管轄する税務署になります。一方、準確定申告書の提出場所は「亡くなった人の住所地を管轄する税務署」が提出場所です。相続人の住所地を管轄する税務署ではありませんので注意が必要です。

④人的控除や所得控除など
通常の確定申告では、配偶者・扶養控除といった人的控除判定は12月31日時点となりますが、準確定申告は亡くなった時点となります。また、生命保険料や社会保険料といった所得控除の対象費用も亡くなった日までに支払ったものが対象となります。

 

準確定申告が必要なケース

(1)必要なケース

 
準確定が必要なのは、以下のようなケースです。

 

(2)還付を受けられる場合も

 
準確定申告が不要でも、場合によっては還付金を受けられる可能性があります。

上記のような場合は、申告をしておきましょう。

ただし、準確定申告における還付金は相続税の対象ですので、相続税申告の際には注意しましょう。

 

(3)しなければどうなる?

 
準確定申告が必要なのに申告期限を過ぎてしまうと、加算税(無申告加算税)が課されてしまいます

加算税は本来の納付額に応じて課税されるので、くれぐれも注意しましょう。
また、税金の納付が送れれば、日数に応じて延滞税も課されるので、こちらも注意してください。

先に述べたように、準確定申告の期限は相続人が相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内で、相続税申告の期限よりも早いのです。
しっかりと期限内に手続きを終えるようにしてください。

 

準確定申告の手続きについて

(1)申告書類の提出先

 
準確定申告は被相続人の住所地を管轄する税務署で行いますので、間違わないようにしましょう。

もし、該当の税務署が遠くていけない場合は、申告書類を郵送で送ってもかまいません。
なお、2020年度分から、国税庁のe-Taxによる電子申告も可能になっています。

 

(2)申告は相続人全員で署名

 
確定申告付表には相続人全員で連署します。
特定の相続人が代表となって単独で申告することはできません。

他の相続人の氏名を付記して個別で申告を行うことも可能ですが、この場合には、申告書を提出した相続人は、他の相続人に申告内容を通知しなければなりません。

 

(3)通常の確定申告と同じ書類を用いる

 
必要書類は源泉徴収票や医療費領収書、生命保険等の控除証明書です。

ほかに、申告者のマイナンバーや関係書類など、必要書類は通常の確定申告と同じです。

 

まとめ

相続税の申告にばかり気をとられがちですが、準確定申告も相続では必要な手続きとなります。
申告期限が早いので、くれぐれも期限を過ぎないようにしましょう。

手続きが不安な場合は、迷わず専門の税理士に申告の代行を依頼してください。

 

 


 
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相続 に関するご相談は(株)FP財産総合研究所までお気軽にお問い合わせください。
 

遺言執行者」という言葉をご存知でしょうか?
遺言執行者とは、被相続人が残した遺言書の内容を実現するために手続きを実行する権限を持った人を指します。

相続において無用なトラブルを防止し、スムーズに手続きを進めるために重要な役割を担っています。

 

遺言執行者とは

遺言執行者は相続人全員の代理人として遺言書内容に従い、不動産の名義を変更したり、預金口座を解約して相続人それぞれに分配したり、必要な手続きをする方です。

相続手続きは関係者が多ければ収集する書類の数も増え、手続きが複雑になります。
その上、相続人同士の仲が良くなく非協力的な方がいるとなると、手続きも難航するでしょう。

しかし、遺言執行者は単独で手続きが可能なため、相続人同士の関係性によって手続きが進まなくなる問題は起きません
こういった点からも、遺言執行者は相続上の手続きを円滑に行う役割として非常に大きいのです。

 

誰が執行者となれるのか

遺言執行者は、未成年の方と破産している方以外なら誰にでも資格があります

遺言執行者には、相続人や受遺者と同一であっても問題ありません。
一般的には、遺言者の身近にいた遺族が執行者となるケースが多いと言えます。

ただし、遺言執行者と相続人が同一の場合、遺言執行者と他の相続人との間でトラブルが生じる可能性も否定できません
そのため、相続専門の税理士など、相続とは無関係の方に遺言執行者を指定する場合もあります

執行者になれば、相続人への進捗報告や、相続財産目録作成等、様々な法律上の手続きをしなければならないので、慣れている専門家を選ぶのは理に適っています。

 

遺言執行者の権限

遺言執行者は2つの権限を持っています。
 

(1)費用償還請求権

 
費用償還請求権とは、遺言執行に費やしたお金を請求できる権利です。
一旦、立て替えをしておいて、手続きを終えた後に相続人や受遺者に対して請求しても良いですし、手続きを行う前に費用の支払いを求めることもできます。

請求費用は、遺言執行に関わる金額に限定されます。
また、相続財産額を超える費用請求は認められません。

 

(2)報酬請求権

 
これは、遺言執行という労働に対する報酬を請求する権利です。
報酬は遺言の中で決めておくか、指定がない場合は遺言執行者が家庭裁判所に申立てを行い、報酬額の決定を委ねることもできます。

費用や報酬については、経費が生じる度に精算しても問題ありませんが、手間を考えれば面倒な着手金+遺言執行後に残りを清算するケースが良いかと思われます。

また遺言執行者が相続人に遺産を渡す際に、費用と報酬を差し引いて渡すやり方もあります。

 

遺言執行者の業務

遺言執行者の承諾をした方は、相続人全員にそのことを通知した後、以下の業務を行います。

 
業務が完了した際は文書で報告を行います。

尚、遺言執行者には報告義務があり、相続人や受遺者が希望する場合は、遺言執行の状況を報告する必要があります。

 

選任方法

遺言執行者の選任方法は以下の通りです。
 

(1)遺言書で遺言執行者を指定する

 
遺言書に執行者の名前と住所を書き、「遺言の執行者を任せる」といった文章も入れておきましょう。
なお、予備の執行者も指定できます。

予備の方が執行者となるのは、本来指定されていた執行者が諸事情によって執行者になれなかった場合のみです。
また、遺言執行者ではなく遺言執行者を選任する方を指定することもできます。

 

(2)家庭裁判所に申し立てを行う

 
遺言書で遺言執行者が指定されていなかった場合や、指定した方が遺言執行者になれなかった場合は、家庭裁判所に選任の申し立てができます。
執行者の申し立てができるのは、相続人や受遺者、遺言者の債権者等です。

裁判所を通さずに、相続人間で遺言執行者を選任しても無効なので注意しましょう

 

まとめ

遺言執行者は相続人全員の代理人となって、単独で相続手続きを行います。
そのため、手続きも多いので、平日時間が取れない方や、慣れていない方だと、その業務をこなすことは大変です。

よって、相続人や受遺者でなく、専門家を選任することも検討しましょう。
報酬はかかってしまいますが、専門の知識と経験があるため、業務を手早く完了させることができます。

 

 


 
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前回のコラムでご説明した通り、相続税は現金による一括納付が原則です。

★参考記事:相続税はどのように納めるのか

 
しかし、相続する遺産に現金や預貯金が少ない、相続人自身の蓄えがあまりない等の理由で、相続税を工面できない場合もあります。
正当な理由がある場合、現金による一括納付とは別に「延納」という方法を所轄税務署に申請することもできます。

ただし、延納は全てのケースに適用されるわけではないので、注意が必要です

 

延納について

相続税の延納制度は納付期限までに現金一括での納付が難しいケースに利用できます
制度要件を満たした上で税務署が認めれば、適用できます。

延納では、相続税を年賦(ねんぷ)で納めることができます。
年賦とは負債額や納税額を毎年決められた金額ごとに、分割で支払うことです。

相続税の延納による分割年数は担保によって決まります。
つまり、遺産割合に不動産や動産がどれだけ含まれるかで変わり、条件次第では延納期間を最大20年にすることも可能です

ただし、分割で支払うため利息がつくので、一括納付で払う金額よりも高くなってしまいます

 

制度の要件について

延納制度の利用には以下の要件を満たします。

 
1つ目の条件として、納税する相続税金額は10万円を超えている必要があります

この金額は相続税の総額ではなく、相続人それぞれが支払う税額です。
相続税の総額が20万円、配偶者の相続税が12万円で子供の相続税が8万円の場合、子供は対象外です。

2つ目の条件は、税額が「一括納付なら難しく、分割納付なら支払える」範囲にあることです

一括納付が困難なケースとは、相続した財産に現金や預貯金がなく、かつ延納を適用する相続人にもそのような財産がないといった場合です。
そして、分割納付なら支払えるケースとは、仕事などで定期的な収入がある場合を指します。

極端な言い方をすれば、収入が見込めず、年賦による支払いも難しいと判断されれば、延納制度は使えません。
また、遺産にはないが、相続人自身が多くの預貯金を持っていた場合には一括納付が可能と判断されてしまいます。(ただし、生活に支障のない金額かどうかで判断されます。)

3つ目の条件は、担保です。担保は国が貸し倒れをしないためのものです。

延納の担保として認められるのは国債、地方債、社債などの有価証券や土地や建物といった不動産です。
担保にも要件が設定されているので、注意しましょう。

なお、延納する税額が50万円未満かつ延納期間が3年以下の場合は担保が不要です。

4つ目は延納申請書と担保提供関係書類の提出です

これらの提出期限は、相続税の通常申告と同日の「相続開始を知った日の翌日から10か月以内」となります。
書類申請の作成にはそれなりの時間がかかるので、前もって準備をしておきましょう。

 

担保について

担保は国が貸し倒れをしないためのものです。
先述した通り、有価証券や不動産などを担保にできますが、以下の要件を満たさなくてはなりません。

 
担保として不適格な事由がある財産とは以下のことを指します。

抵当権とは、担保品を勝手に売れなくする権利です。相続税を支払う体制を整えるために、抵当権は必ず設定する必要があります。
勝手に売られてしまうと、相続税の回収が難しくなるので、税務署は認可しません。)

さらに担保は、分割払いをする相続税の金額だけでなく、分割払いをする期間の利息も補える価額のものでなければなりません。
価値がなかったり、買い手がつかないようなものは対象にはなりませんので注意しましょう

なお、担保として提供可能な財産は相続財産や相続人自身の財産でも大丈夫です。
また、第三者の財産であってもその第三者が承諾してくれれば、担保とすることができます。

 

利息について

延納でかかる利息は「未納分の元本×年割合」という数式で算出します。
年割合は取得した相続財産の割合によって、下記の表の通りとなっています。

延納

★参考:国税庁HP 相続税の延納

 
また、相続財産の割合によって、延納の期間も変わってきます。
つまり、不動産等の割合が高いほど換金性に乏しいことから、延納期間も長く、利子税の税率も低くなっています。

延納を適用する場合は、利息と延納期間を把握し、きちんと返済計画を立てましょう。

 

まとめ

相続税は相続開始を知ってから10ヶ月以内に現金一括で納めなくてはなりません。

しかし、相続財産の内容や、ご自身の状況から、支払い額を工面することが難しくなる場合もあります。
そのような場合は、今回ご紹介した延納制度を利用して、相続税の支払いを先延ばしにするという選択もできます。

ただし、制度には適用条件がありますので、誰でも使えるわけではありません。
どうしたら良いかわからない場合は、一度相続専門の税理士にご相談ください。

 

 


 
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故人の遺産を相続した場合、その金額に応じて「 相続税 」を国に納める必要があります。
納付は原則として「現金による一括納付」とされていますが、インターネットによるクレジットカード払い等も可能となっています

本コラムでは、相続税の納付に関する方法や注意点についても解説していきます。
是非、参考にしてください。

 

相続税の納付に関する基本事項

(1)相続税の納付期限

 
相続税の納付は、「相続が開始されたことを知った日から10ヶ月以内」に行います。
(相続税の申告も同様の期日に行います。)

相続開始日は被相続人が亡くなられた日であり、「死亡診断書」や「死体検案書」に記載される「死亡日」となります。

これは、相続人が死亡日を知った日と必ずしも同日とは限りません
長い間音信不通で遠方に住んでいたり、長期の海外旅行に出かけている場合、連絡が取れないケースがあるからです。

ただし、税務署が期日の最終判断を行うので、安全のためにも「相続開始日」から起算した期日までに手続きを終えるようにしましょう
なお、期限の最終日が土日や祝日であった場合は、次の平日まで納付期限は延長されます。

 

(2)納付書を作成する

 
実際に相続税を納付する際に必要となるのが「納付書」です。
税金には国や都道府県、市から納付書が送られてくるものもあれば、自分で税金を計算し納付書を作成して支払うものもあります。

相続税は相続人が自身で税金の計算をして納付書を作成する必要があります。
もちろん税理士に相続税の申告を依頼している場合には税理士が作成してくれますのでご安心ください。

 

(3)支払いは相続人ごとに

 
相続人はご自身の納付額について、個別に納付します。

代表者がまとめて納付した方が楽そうに思えますが、リスクを伴うので、避けるべきです。(理由は後述します。)

 

原則は現金による一括納付

相続税の納付は金融機関か所轄税務署の窓口で行います。
納付の際には、納付場所に用意してある納付書に住所、氏名、税額、申告書を提出した税務署名等を記入し、現金に納付書を添えて納付します。

金融機関は、民間銀行、信用金庫、郵便局などおおよその場所で納付可能です。
税務署に大金を持ち込みたくない方もいるので、大半の方が金融機関で手続きをされます。

なお、コンビニからでも納付ができますが、事前に税務署にバーコード付の納付書をもらう必要がある上、金額も30万円以下となります。
金融機関と違って営業時間を気にする必要はありませんが、このような点があることに留意してください。

 

クレジットカードによる支払いも可能

2017年1月からクレジットカードによる相続税の納付が可能になりました
インターネットやスマートフォン経由で納付できるので、窓口に行く必要もなく、24時間いつでも支払いができます。

利用には、国税庁ホームページ、またはe-Taxから「国税クレジットカードお支払サイト」にアクセスし手続きをします。

ただし、他の方法と違って、納付税額に応じた決済手数料がかかります。
(手数料は10,000円ごとに100円以下といった微々たるものですが。)

 

納付に関する注意点

(1)期限内に納めること

 
相続税には先述したように納税期限が決まっています。
期限を過ぎてしまうと、「延滞税」がかかります

延滞税は一日ごとに増えていき、2カ月を超えるとかかる税率も高くなります。
そのため、期限内に納付しましょう。

 

(2)納付を他の相続人に行わせない

 
相続税が高額であったり、手続きが面倒といった理由で、他の相続人に納付をしてもらおうと考える方もいるかもしれません。
しかし、納付を他の相続人が行うと、贈与とみなされて「贈与税」を課税される怖れがあります

相続人の中に税金の工面が難しい方がいる場合は、相続財産の預金を利用したり、財産を現金化して分割する等して、納税資金に充てましょう。
(その際は、後の証明のために経緯を記録しておくこと。)

できる限り、代理での支払いや立て替えをしないことで、贈与とみなされる可能性も無くなります。

 

まとめ

相続税の納付は金融機関や税務署・コンビニ等での一括納付の他、クレジットカードも利用可能です。
支払が遅れてしまうと、延滞税がかかってくるので必ず期限内に納付を完了してください。

なお、相続税をご自身で計算して申告するのが困難である場合は税理士に代行を頼みましょう。

相続税の申告経験が豊富な税理士であれば、相続税の申告書作成の他、納付書の作成まで全て行えます。
また、家族や財産状況から適切な節税アドバイスも受けられます。

忙しい方や不安な方は、早めに税理士に相談してください。

 

 


 
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– 相続 ではまず誰が相続人となるのか、しっかりと覚えておきましょう –

人が亡くなれば相続が開始されます。
戸籍謄本の取得や遺言書の有無の確認、相続財産の調査、相続税の申告など、多くの手続きをこなして行かなくてはなりません。

これらの手続きは相続人となる方が行うのが基本ですが、問題は「誰が相続人となるか」です。

民法の中では故人の遺産を相続できる人=相続人は決められています。
この法律上で定められている相続人は「法定相続人」と言います。

今回は法定相続人の範囲や優先する順位などを解説いたします。

 

法定相続人とは

誰が遺産を継ぐのかが予め決まっていなければ争いの原因になります。
そのため、法律では相続開始と共に自動的に相続人となる方が決められています

相続人となる方は、亡くなった方(被相続人)との関係性で範囲と順位が定められています。
範囲としては「配偶者相続人」と「血族相続人」の二種類があり、配偶者は必ず法定相続人になりますが、血族相続人は順位に従って相続権を得るのです。

順位については以下の通りです。

第1順位…被相続人の子供(直系卑属)
第2順位…被相続人の親(直系尊属)
第3順位…被相続人の兄弟姉妹

 
もし、第1順位の方がいない場合は、第2順位の方が法定相続人となります。第2順位がいなければ、第3順位の方となります。
なお、順位が移るのは、その順位に誰もいなくなった場合です。

仮に被相続人の子供が2人いて片方が相続放棄をしたとしても、次の順位である被相続人の親が相続権を得るわけではありません。
(この時、法定相続人は相続放棄をしなかった方の子供のみとなります。)

 

注意したいケース

(1)法的な婚姻関係がない夫婦

 
法定相続人として認められる配偶者は、被相続人と法的な婚姻関係がある方のみです。
事実婚および内縁関係にあたる方では法定相続人になれません。

逆に法的な婚姻関係を結んでいれば、離婚が成立していない限りは法定相続人となることができます。

 

(2)内縁関係にあるパートナーとの間にできた子供

 
内縁の夫や妻はそれぞれの相続において、法定相続人になることができません。
しかし、子供に関しては認知されていれば法定相続人になることができます。

なお、母親と子供は、原則として産まれた時点で法的な親子関係が生じることになっています。

 

(3)養子

 
被相続人が生きている間に養子縁組をした場合、その養子は被相続人の子として、実子と同じく相続人の第一順位に数えられることになります。

 

(4)相続欠格や相続廃除の対象者

 
相続欠格とは、被相続人の生命を脅かすような行為をしたり、遺言内容を自分が有利になるよう脅して書かせたりするなど、不正事由をした法定相続人の権利が剥奪されることです。

相続人廃除とは被相続人を虐待したり侮辱行為をしたりした法定相続人の相続権を剥奪することです。

相続欠格は被相続人の意思に関係なく強制的に適用されますが、相続人廃除は被相続人の意思により、相続人の権利を失わせることが出来ます。
どちらにせよ対象者は相続権を失うので、法定相続人にはなれません。

 

法定相続分について

民法では各法定相続人の遺産配分の目安である「法定相続分」を定めています。

相続では、遺言書がない場合や、遺言書はあっても相続分の指定がないことがあります。
そのような時に相続人同士がスムーズに遺産を分割できるよう、遺産分割の基本になる相続割合が決まっているのです

なお、法定相続分はあくまで目安ですから、必ずしも法定相続分通りに遺産を分けなくても大丈夫です。

法定相続分に基づいた配分は法定相続人の組み合わせによって以下の通りとなります。

配偶者と被相続人の子供(直系卑属)…配偶者が遺産の2分の1、残りを子供で分割
配偶者と被相続人の親(直系尊属)…配偶者が遺産の3分の2、残りを親同士が分割
配偶者と兄弟姉妹…配偶者が遺産の4分の3、残りを兄弟姉妹で分割

 
例となるパターンを見てみましょう。

例1:配偶者と子供3人が相続人のケース
妻の法定相続分:遺産の1/2
子供の法定相続分:遺産の1/2の3分割=1/6

例2:配偶者と被相続人の兄・姉の二人が相続人となる場合
夫婦間に子供がなく、配偶者から見て義理の父や母、祖父母も既に亡くなっているため、配偶者と被相続人の兄弟姉妹が法定相続人となるパターンです。

妻の法定相続分:遺産の3/4
子供の法定相続分:遺産の1/4 を兄姉の二分割=1/8

 

まとめ

相続が開始されると、遺言書の確認・財産調査等と並行して相続人の確定も行う必要があります。
そのため、法定相続人となる範囲と順位はきっちり押さえておきましょう。

 

 


 
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