人が亡くなれば、その方が所有していた預金、有価証券、不動産、車などの資産は相続財産として、配偶者や子供に相続されます。

上記以外についても同様で、例えば、家具や家電製品、衣服等々、これらのものも相続財産に含まれます。

相続財産である以上、その合計額によって相続税が発生する場合があります。よって、原則的には相続税計算のために遺産を一つずつ評価しなくてはなりません。

ただし、衣服や家電製品までも個別評価すると、とても手間がかかります。品数が多い場合は相続税の申告が間に合わなくなってしまうでしょう。

このような点から、相続では、衣服など一般的に経済的価値が低いとされるものについては、一式でまとめて良いことになっています

 

故人の衣服は家庭用財産に含まれる

相続財産には以下のものが含まれます。

    ○プラスの財産

  • 現金、預貯金
  • 不動産(土地・建物)
  • 株式や債券などの有価証券
  • 動産(家具、車、貴金属、絵画など)
  • 著作権などの知的財産

    ○マイナスの財産

  • 借金やローン、クレジット残債務
  • 未払金(賃借料、水道光熱費等)
  • 未払いの税金

この中で衣服は動産に該当します。そのため、基本的には相続財産となります。

そして、家にある一般動産の総称は家庭用財産と言います。
家庭用財産は衣服の他に家具、家電、楽器、貴金属、自動車、骨董品などが含まれます。
 

    ○家庭用財産の例
    家電…パソコン・スマホ・テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンなど
    家具…ソファー・テーブル・椅子・本棚・ベッドなど
    衣類…洋服や着物・バッグ・靴など
    美術品…絵画や骨董品など
    貴金属等…貴金属・宝石・高級時計など
    自動車…自動車・自動二輪車など
    電話加入権…固定電話の契約形態に係るもの(現在では家庭用財産として評価します)

 

家庭用財産は相続税の課税対象

家庭用財産も相続税の課税対象です。そのため、一品ごとに評価をしなければなりません。

評価方法は以下の二つです。

    ○原則的な評価方法
    相続開始時の時価を基に評価します。類似品の売買実例価額や専門家の意見を参考に価格を決定します。

    ○特例的な評価方法
    時価が不明な場合は、新品の価格から経年劣化による減価償却費を差し引いて評価します。減価償却費は法定耐用年数を基に計算されます。

ただし、上記の評価をするかどうかは、一般的に経済的価値が低いかどうかで分けます。価値の低いものは「家財道具一式」としてまとめて評価をします。

価値のボーダーは「5万円」です。これは国税庁のHPにも記述があります。

「一般動産の価額は原則として、1個又は1組ごとに評価する。ただし、家庭用動産、農耕用動産、旅館用動産等で1個又は1組の価額が5万円以下のものについては、それぞれ一括して一世帯、一農家、一旅館等ごとに評価することができる。」

★参考:国税庁HP

 

故人の衣服はどれも5万円以下の評価になることが多いので、「家財道具一式」としてまとめて評価をしても良いのです。ただし、少額だから計上しなくていいという訳ではないので注意しましょう。

 

ブランド品や着物に注意

一般的な衣服は5万円以下の評価となることが多いですが、ブランド品や高級着物は換金価値が高いため、5万円以上の評価になる場合があります。

この場合、専門業者に査定を依頼し、適正価格で評価しましょう。

 

一括計上はいくらぐらいにすべきか

前述した通り、故人の衣服は5万円をボーダーとして一括評価して良いことになっています。

では、いくらとするべきか。

家財道具一式で考えると、衣服の他にも、家具や家電が含まれます。それを考慮すると、評価額は10~50万円が妥当となります。金額は点数や内容によって変えましょう。

  • 一人暮らし・所有物が少ない場合…10万円
  • 一般的な家庭…10万円~30万円
  • 高級家具・家電が多い場合…30万円~50万円

故人が1人暮らしで、所有物も多くない場合は10万円とし、高級家具を多く揃えていた場合であれば30万円〜50万円と多めに申告しましょう。

多くする理由は、税務署からの指摘を回避するためです。申告で本来よりも少ない金額で計上してしまうと、後に加算税を取られる恐れがあるからです。

国税局も家庭用財産の計上漏れに関して、軽視していないので注意が必要です

 

まとめ

  • 故人の衣服は家庭用財産に含まれる
  • 家庭用財産は相続税の課税対象
  • 原則的には個別評価となるが、5万円以下のものは「家財道具一式」として一括評価が可能

家庭用財産は少額で価値の低いものがほとんどであり、不動産等ほど評価が複雑ではありませんが、適切な金額を設定することが重要です。判断が難しい場合は、税理士に相談することをおすすめします。

 

 


 
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